2017/09/30

ワインダイヤモンズのオーストラリアメイカーズ会 @あじる亭

赤坂のあじる亭で開催されたワインダイヤモンズのオーストラリアメイカーズ会にお誘いいただいた。

ここで初めてワインダイヤモンズというインポーターを認識したのだけど、取り扱っているワインの中には飲んだことがあるものもあって、一気に興味が沸いた。
webサイトのデザインもすっきりとして好みだし、扱っているワインメーカーに統一感がある。
今回出席していたメーカーの人たちは皆、若くて、自分たちがなぜそのワインを作るのかということに自覚的で、ピチピチと弾けるような熱意があったのも大きい。
インポーターとワインメーカーとが同じ方向を向いているかどうかは、こういう会で見えるものだ。

高級ワインのメーカーズディナーだと、そのワインを飲んだと言いたいだけのようなお客さんたちが見受けられたりしてげんなりすることがあるが、この日集った人たちは、素直に楽しみに来ているようだった。

ラベルのデザインもそれぞれに個性がある。

UNICO ZEROのオレンジラベルのezotericoという白ワインが、肉厚の白い花を想起させる香りで印象深かった。

メーカーの話を聞きながら飲むワインは、好き嫌いとは別の美味しさがある。

なんと、サルメリア69の新町さんによる出張生ハムたちが!

1人1皿だなんて、贅沢すぎる。

立食でビュッフェ式だったので、あじる亭の料理がどんな感じなのかは窺えなかった。
スタッフの人々の情熱は感じられたし、赤坂では知らないタイプのワインを愉しめる気楽な店で居心地も良さそうなので、通常営業のときにも来てみたいものだ。

2017/09/29

ソンポーン 移転

カウンター5席しかなかった浅草のソンポーンが、近くに移転してオープンしていた。

ずいぶんと広くなり、座敷もできて、席数は7倍くらいになった。
サービススタッフも料理人も増えたから、宴会ができるし、予約を入れやすくなったのではないかな。

料理人が入ったといっても、ユキちゃんが変わらずに厨房にいるので、ほとんど変わらずに美味しい。
特にここのネームクルックは必食だと思うが、とにかく量が多いので、4人以上いる時に頼んだほうが良い。

サイクロークイサーンは前回より酸味も肉臭も控えめ。

ソフトシェルクラブのプーパッポンカレー。

必食その2はピータンのガパオ炒め。
ねっとり甘辛。

残念だったのが、ホイトー。
味は美味しいのだけど、あの周りカリッ、中トロッがなかった。
ぐっちゃりと盛られていたし、別物だなあ。

ピーナッツの入った辛いソースをつけていただくムーサテ。

白菜などの野菜と、春雨入り肉団子、練り物団子が入った具だくさんのスープ。
優しい味で辛さなし。
唐辛子酢を加えたら、しまってより好みだった。

ユキちゃんから、食後のタイスイーツがサービスで。
枝豆の風味のするお菓子は黄身餡入り。

スペースがあるから料理を並べられるし、次の予約を気にする必要がないし、シンハーやチャーンなど、ビールの選択肢が増えた。
ユキちゃんが全てを料理していた前の店も懐かしいけど、ゆったりと食事ができるというのはそれを超えるメリットだと思う。
予約が入れやすくなった分、「食べなきゃ!」という切迫感がなくなって、新しいメニューにチャレンジできそうだ。
5人という縛りを考えずに来られるのもありがたい。

2017/09/28

フェタチーズ

今更ながらにフェタチーズにハマっている。
元々フレッシュなシェーブルチーズが好きで、でも日本では値段が高いし、輸入チーズを多く取り扱っているところでないと見かけない。
フェタチーズは以前にエスニック食材屋で買ったのが塩辛くて避けていたのだけど、成城石井などで売っているのを買ってみたら、シェーブルチーズに近い味わいだった。
考えてみれば、同じ山羊乳で、フェタはシェーブルの一種なのか。

すでにクセと塩気があるから、カリっとトーストしたパンに塗って、イチヂクのスライスをのせただけでも美味しい。
イチヂクの甘みが弱ければ、ハチミツやメープルシロップをたらす。

アボカドは、のせてからトーストすると緑が濃くなって美しいし、ねっとりとした舌触りも増す。

トーストしない薄切り食パンにフェタチーズとスライスして軽く塩して水を出したきゅうりをのせ、ミントやディルを散らすのも、爽やかで、夕方のアペリティフにぴったりだ。
パリのケータリングがシェーブルチーズでやっていた組み合わせで、シンプルな美味しさに感動したもの。

サラダやフルーツのドレッシングに使うというのを教えてもらったので、今度やってみようと思っている。

2017/09/27

お甘会

谷根千散歩で甘いものを買い漁り、家で食べようという会、通称お甘会。
まずは千駄木のCIBIでブランチ。

しっとりというか、汁気を含んでペチャっとした舌触りが美味しいオレンジケーキ、ラベンダーの香るケーキが自然に美味しく感じるというのに驚いたラベンダーケーキ、そして、前回もいただいたドライフルーツとシリアルが満載のブレックファーストマフィン。
まだまだ食べたい気もするけど、先は長い。

お彼岸で混み合う谷根千を歩いて巡る。
まずは和菓子の荻野で草団子とみたらしの焼き団子、おこわおにぎりを買う。
あたりを流しつつ、イナムラショウゾウへ。
いつもは外まで並んでいる時間ではないはずなのに、この日は行列。
30分くらい待って、中へ。
その日あるケーキを「全種類ください、あと、この4つは2個ずつ」というまさに大人買い。
5人だし、いけるいける。
坂を下って、根津神社を通り、新しく移転してきたパン屋、ベーカリーミウラへ。
思い思いにパンを買う。
ここのライ麦パンは自家製粉で香ばしい。
で、succession
シナモンロール、ラムレーズン入りチーズケーキ、フラン、プラムのタルトを購入。
山長に寄って刺身を買い、家へ。

壮観。
皿に乗り切らないし。
イナムラショウゾウはショコラティエの店を持つだけあって、チョコレートものが充実している。
でも、どれも違った風味や組み合わせで、口飽きない。
これだけあると、さすがに少し残って持ち帰りになったけど、全体として軽やかな仕上がりなので、胸焼けになることはなかった。
グラスに入ったお菓子も捻りがあって美味しい。
特にねっちりと苦いカラメルのプリンが好きだった。
トロリとしたクリームがのっているのにサクサクをキープしているタルトが不思議。
ひとまず、この時期のケーキは全部味わった。

お甘和物編。
やわやわな餅と品の良いあんやタレの組み合わせ。
おこわも薄味でじんわり美味しい。

近くに住んでいる5252ちゃんがわざわざ朝から並んで買ってきてくれた群林堂のおはぎ。
年に2週間しか販売しないという貴重なお菓子だ。
こしあんは1人1個、つぶあんは2つをみんなで分けて。

ここのあんはねっちりとして、密度が高い。
ぎゅうっと口の中が満たされる幸せ。
こしあんよりもつぶあんのほうがより濃いというか、キャラメルのような風味もある。

そうだよ、元々はこれを食べるために集まろうというところから、じゃあお甘会も同時開催しようということになったんだ。
浜葡萄。
生で食べるには間に合わなかったけど、少し溶けて半氷になったところの甘さは格別だった。

甘いものだけを食べ続けることはできないので、合いの手を持ち寄りで。
レンズ豆のサラダや、糠漬け、トマトのピクルスを食べてはお甘に戻りを繰り返す。

酸味のあるスープが欲しいかもと思い、サンバルを作っておいた。
渡辺玲先生のレシピ。

ひとしきり甘いものを食べたところで、安定の浅草姐さんの鶏唐揚げ。

山長の刺身は、タコ、カツオ炙り、イワシ、秋刀魚。
生わさびと生姜とで。

おお!タマリンド。
これの整腸作用というか、排出効果の即効性。

相撲や動画を観ながらダラダラと、親戚の集いのような夕暮れ。
トスカーナポテトを揚げてもらったり、クミンキャベツを作ったり、

直漬け酸豆角と塩豚の炒めが美味しかったり。

飲んでたのは3人だよね。
でも、二日酔いはないし、記憶もある。
食べないで飲むと致命傷になるけど、飲みよりも食べるほうが上回っていれば大丈夫なのだ。

いやー、やり遂げた充実感。
楽しかったなあ。
またやりましょう。
今度は遠征して買い出ししても良いかもね。

2017/09/20

自分のためだけに作る料理

独り身なので、来客がないかぎりは自分だけのために料理をすることがほとんどだ。
いわゆる独女料理というヤツ。
このワードで検索すると、手抜き料理が挙がるのだけど、料理が好きで手間を惜しまない独女も多いんじゃなかろうか。
むしろ、独女だから心置きなく料理できる。

もはや「いつか誰かに作ってあげる」なんてことは考えない。
ただただ自分のための料理。
これが楽しくて仕方がない。
空腹で待つ人を配慮して急いだり、他人の好みに合わせる必要などなく、自分だけが美味しいと感じれば良いのだから。

これまで散々外食をしてきたし、母親は料理好きだし、組み合わせや盛り付けについての知識ならある。
もし酷い出来だったとしても、自分だけのことだし、今後の参考ということで、それはそれで面白い。
実験気分で思いつきのメニューを試したり、何度も作り慣れているものを「やっぱり美味しいなあ」と自画自賛しながら続けて食べたり。
不便なのは、レシピのほぼ全てがカップル、または家族単位で書かれていること。
わざわざ4分の1とかに計算しなおしてから軽量しなくてはならない。

ボンゴレロッソはトマトをピュレ化せず、ゴロっとしていたほうがアサリの風味とトマトとを別々にも一緒にも味わえて好きだ。
白ワインを入れて蓋をし、殻が開いたら蓋を取ってよく煮詰めると、シャバシャバにならない。
ソースは自然にパスタを食べて、皿にほとんど残らないというのが理想的。

独り身の料理にありがちなことに、具が多い。
2人分でちょうどよい量で売られていたアサリを1皿に全投入したからね。

豚肉は甘めの味付けが合うと思う。
前にイチヂクのソースで食べた時、豚をソテーしたフライパンを軽く拭いて、出た脂を少し残してソースを作ったら、重すぎた。
なので、別鍋で塩多めのジャムを作り、ソースにした。
砂糖でなく、出汁の香りのするスリランカのキトゥルハニーを入れたけど、なくなったらメープルシロップかヤシ糖かな。
どうにも持て余していたグリンペッパーを添えたら、アクセントとしてピタリとハマっていた。
生姜を入れても良いかもしれない。

昔、友達が、洒落た料理を提案するとある料理家さんの本を「負け犬レシピ」と呼んでいた。
フルーツやパクチーなどを使っていて、当時の多くの男性が好まなかった料理。
まさに、今自分が一番よく作るようなものたちだ。
今は、男性の料理家の人たちのほうが好んでこういった料理をしている気がするなあ。
10年くらいで随分と変わった。

新秋刀魚が出回っていて、近所の魚屋でピカピカとしていたのを買わずにいられなかった。
家には丸ごと入る大きさのフライパンや鍋がない。
クミンとニンニクを香りだしした油に秋刀魚とレッドペッパーを入れてこんがり焼いたもの。

こうやって食べると、スパイスの香りで相殺されるのか、食後に魚の臭いが気にならないような気がする。

平日の夜はスープで終わらせるようにしている。
週末の食べ過ぎの調整で。
鶏や豚を1時間くらい煮込んだものがベースで、豆や野菜を足す。
週末に作っておいたのを温め直して、胡椒やピマンデスペレットなどをふりかけて食べる。
3~4日くらい続いても飽きないで、食べるたびごとに美味しいなあとしみじみ思う。

和食や中華の家庭料理は母親任せで、手を付けていなかった。
最近になって作り始めたから、今、一番興味のある分野だ。
朝に和食を作ろうと思っていると、楽しみで早く目が覚めるほどに。

鯛の頭を煮付けてみたが、レシピにある濃い口醤油が家になく(普段は薄口使用)、濃さが足りなかった。
次回は甘さももっと強くして、トロっと、てりってりにしたい。

母親に聞いても、詳しい分量は出てこないから、京味の西さんの「日本のおかず」という本を参考にしている。
食材が変わる場合は検索をすれば、それに合わせた下処理を教えてもらえる。
魚の捌き方も動画で見られるし、料理は特別なことではない。
食べることが好きで、自分の好みの味がわかっている人は皆、料理ができるはずだと思っている。


2017/09/18

ひみつ堂

谷根千といえば、まず挙がるのがかき氷のひみつ堂。
肌寒い季節でも行列ができるが、夏は特に凄まじい。
開店時間が9:00頃に早まっても、その1時間くらい前から並び初める。
午前中に整理券をもらって、それまで谷根千散策をして指定時間数分前について並ぶ(あまり前だと並ばせてもらえない)というのが、最短の待ち時間なようだ。

この春に初めて行って、ひみつのいちごみるくを食べ、その後も何度が行ったので、フルーツ以外のものを食べる余裕ができた。
この抹茶みるくは氷の下の小倉の豆がしっかりとしている。

季節のフルーツの時は、まずそのフルーツのみで頼み、100円プラスでミルクやヨーグルトを付けるのが良いと知る。
生フルーツを使ったシロップがたっぷりとかけられたうえに小皿にも。
そうでないと、後半フルーツシロップが足りなくなることがある。
ヨーグルトも酸味がまろやかで、このかき氷に合うように工夫されている気がする。

かき氷の値段は月によって違って、8月が一番高くて1,100円。
そりゃそうだろうなと納得できる。

キーンとこない氷なので、涼しくなってからも度々行って、季節の味をいただきたいと思っている。

2017/09/17

骨董

蚤の市を漁るだけでなく、東京の骨董市も徘徊している。
行ける場所で骨董市が開かれていない週末は寂しい。
旅先では、出来る限り食糧品の市場とアンティークマーケットに行きたいし、もっと色々な国のマーケットを巡りたい。

デザインの好みだけで選ぶのも楽しいし、年代や背景を調べて知識から選ぶのも面白い。
何度も見て回っていると、相場や希少性がわかってくる。
知識で選ぶことを下に見るような人もいるが、もったいないことだと思う。

予算上贅沢はできないながら、詳しい友達に倣って骨董店を勉強に訪れたりもする。
ピンを見ておくというのは、何事においても大事だ。
本漆を使った金継ぎをするようになって、直しの具合にも注目している。

器やカトラリーなど、生活雑貨の古いものは、単純な料理を味のあるものに見せてくれる。
出自がバラバラなものを合わせても、不思議と纏まる。
出会いの高揚感や、値段を知って、それが掘り出し物だった時の緊張感は癖になる。
良いなと思っても、自分が持つとなると違うというものも多い。
それらを買ってしまい、結局は使わないことが何度かあって、我慢を学んだ。
とはいえ、誰かがそれを代わりに喜んで使ってくれたらいいのにと思う。
最近、ヨーロッパの蚤の市を回って買ったもので商売をしている人たちが増えていて、そういった人たちはSNSを上手く利用して集客している。
そういうポストを羨ましく眺めたり。
商売となると、結局は売れるものを求めるようになって、フラストレーションが溜まるのかもしれないが。

2017/09/16

グラン クリュ カフェ ギンザ

星野をご一緒している食通の方々が最近通われているグラン クリュ カフェ。
場所はGINZA SIXの13階。
通常のエスカレーターでは通じていず、TSUTAYAのある階でエレベーターに乗り換えないといけない飲食フロアにある。

ミカフェートの頂点に位置するグランクリュを味わうための空間。
豆をボトルで購入し、煎れてもらう。
茶菓子などはない。

1本が時価で10,000円~と高額ながら、6杯くらいにはなるので、ホテルの煮出したようなコーヒーを考えれば、驚くほどの高さではない気がする。
ボトルキープは豆の鮮度の関係で2週間。

この日は食通の方が購入したボトルからご馳走になった。
リストを見ると、農園や年代によって値段だけでなく、風味が異なるのが面白い。
ワインのような複雑な変化があるそうだ。

珈琲を煎れる人の技術も素晴らしく、同じものを続けていただくときには、温度や煎れ方を変えて違いを味あわせてくれる。
これが、本当に違うので、面白い。

カップはノリタケのヴィンテージ。

味はもちろん、体験として特別だった。
思ったよりもオープンな店なので、何人かで美味しい珈琲を味わいたいというときに、自分でも来てみよう。

2017/09/15

新橋 星野 松茸

今年の松茸は早いらしく、もう終わりかけだとか。
お盆明けに涼しくなった頃から出始めたから。
この日は岩手の良いのが入りましたとのこと。

是が非でも食べたいというのではないし、イメージに踊らされている感はあるが、いただくとやっぱり嬉しい。
とはいえ、こういう特別なものは然るべきところで食すもので、そうでなければ食べなくても良いと思う。


星野さんでは珍しい前菜。





「カツオや鱧を焼いた後に氷水に入れる料理人がいるけど、あれをやると味が出てしまうんですけどね、なんでやるんですかね?」と。
なるほど。


とても星野さんらしい椀だった。
ごく繊細な出汁で、素材の持ち味を活かす。
今、ここでいただく料理たちは、もう完全に星野さんのものだと思う。
京味出身であることを謳う必要がない。

金額的に、もっといかにも豪奢な料理やプレゼンテーションを望む人もいるだろうが、そういう人には向かない店だ。
星野さんは飄々としていて、客を盛り上げるタイプでもない。
当たり前のように施された卓越した技術や手間をじわりと味わう料理。





ご飯を3回もおかわりしてしまった。