2016/02/03

そこに皿があるから

真冬の蚤の市は活気がない。
特に日曜は売り手もやる気が見られない。
9:00近くまで暗いのもあって、仕事前に立ち寄ると半分は準備中。

ヴァンヴでは古い鍵と、オクトゴナルに中国人と思しき人が描かれた皿のみ購入。
古い鍵はその時によって値段がまちまちなのだが、この日は安かった。
小さい鍵はキーホルダーにした。

皿は、変な絵だなと思って手に取ったら、売り手がいきなり猛プッシュし始めて、値下げもしてくれたので行きがかり上買った。
土曜日には手に取る人もいなかったのだろうなあ。
良く見ると丁寧に描かれているし、状態も良いから、気に入ってはいる。

検索すると、高台のない丸い裏面の皿は18世紀とされていることが多いが、これは薄さや釉薬の具合を考えても1800年代にはなっているだろう。前半か?
料理は盛らず、インテリアとされていたからこその状態の良さだと思う。
どんな奇特な人がこの皿を飾っていたのだろうか。


アンティーク以外も含めて、皿は十分すぎるほどにあるのだけど、掘り出してしまったからには買わずにはいられない。
皿以外のもので何か…と探してはいるのだけど、大きさや重さを考えると、なかなか丁度良いものには出会えない。
そう、特定のものを探して蚤の市通いをしているわけではなく、ただ何かグッとくるものを見つけに行っているのだ。
何に自分がそそられるのかを観察するような気持ち。

この13区のポップアップのブロカントには、去年も来たな。
去年、状態の良いジアンの皿を売っているスタンドがあったと思い出していたら、それらしきものを発見。
前期高齢者くらいのご夫婦が売主。
商品量を鑑みるに、店を持っていて、土日は蚤の市に出していると予想する。

そこではクレイユ・エ・モントローのジャポニズム皿がまとまって並んでいた。
お正月料理にフランスの窯製ジャポニズム皿を使っている人のブログを見て、興味があったのだ。
蚤の市価格的に安くはない値段なので、よくよくチェックして、状態の良いものを1枚買う。
こってりとした模様の皿を揃いで使うのは、自分にはクドすぎるというのもある。
日本の柄物と合わせて使うくらいが面白いだろう。
または、今度どこかで別の図柄のジャポニズム皿に惹かれたら、それを合わせよう。

水色に青い柄。
調べると、Yedoというシリーズで、1876年~1884年製造のようだ。

裏には漢字と、漢字風に書かれたアルファベットのCREILとMONTEREAU、そして桜。

枚数があったし、Japonという別の図柄のジャポニズム皿やコンポティエなどもあった。
セットの残りものではないかと推測。

他のスタンドで買った皿。
今回は状態の良さを念頭に置いて選んだので、ピカピカ。

あまりに整っていて、自分がグッとくるタイプの皿ではないのだけど、家族はこういうものを好むだろうと思ったのだ。
1枚だけがポロリといた。

ボルドーのジュール・ヴィエイヤールによるベラン模様。
1800年代前~中くらい。
もともとムスティエが作っていたものを模したそうで、同じものでムスティエ名入りもあるようだ。
しかし、150年以上前のものがこの状態の良さとは、どんな素敵な家庭で使われていたのだろう。
まとめて出たものが、バラバラに売られ、残ったのに違いない。

クレイユ・エ・モントローのグリザイユが好きだ。
ジアンなども出しているが、こちらの雰囲気が好みに合う。
「リベカとエリエゼル」と「約束の地」という聖書の物語が題材になった2枚。
巨大な葡萄を担いでいるほうだけで良かったのだが、売り手にセットでディスカウントされた。
こういうものは枚数があると面白さが増す気がするから、承諾。

1849~67年製らしい。

白い皿が人気みたいだなあと思って、重ねてあった中からカケなどのないものを買う。
右は35cmくらいと大きくて深さのあるクリーム色。
左は平皿。

右は1920年代というバドンヴィレー。
左は1900年代前~中のボッホ。

アンティークの皿は、帰ってから綺麗に手入れをして、年代や出自を調べるまでが最高の楽しみ。

今回、アンティークのカトラリーには呼ばれなかったが、新品を買った。
ペルスヴァルのペティナイフ。
ラヴァン・コントワールでカウンターの小さいカトラリーバケツの中に入っているね。
ワインを買いに入ったワイン店のレジ脇にあった。
店の人は「トマトやジャガイモを切るのよ」と。
テーブルナイフより遥かに安いが、さすがの切れ味。