2016/01/17

インド旅行準備、役立ったものなど

インドに旅行をする・したと言うと、「えー羨ましい!行ってみたいけど…」という反応が多い。
個人旅行にかなり慣れた人以外には、心配のある国のようだ。
でも旅行をしてみると、他の国と比べて特別難易度が高い国だとは思わなかった。
インド人は面倒臭い人が多いが、基本的に親切。
もっとみんな、インドに旅行したらいいのに。

ただし、インド料理が苦手な人には薦めない。
下調べとして在住者、バックパッカー、駐在員・妻、ツアー旅行者、バイヤーなど、あらゆる種類のブログやサイトを読んだが、2度と行きたくないとしているのはインド料理が苦手な人がほとんどだった。
日本のカレーが好きだから自分はカレー好きと思ってインドに旅行し、スパイスの入っていない料理がないと憤る人もいて、世の中色々だと思った。

トラブルの大半はぼったくりなのだが、よく読んでみると、本人がトラブル自慢のためにあえて起こしたとしか思えないものも多い。
土地勘がないところにホテルの予約をせずに乗り込み、オートリキシャ―の運転手に連れて行ってもらったら、そりゃぼったくられるでしょ。
東京でだって、よく知らない旅行会社でツアーを申し込んだら、事故にあう。
そういったことは、インドだけの話ではない。

というわけで、今回の旅行のサブタイトルは、「快適と安全を金で買う」。
ある程度の出費でトラブルは防げるのだ。

旅行の目的は、
1 食事
2 買い物
3 アーユルヴェーダ。
残念ながら、3だけが果たせなかった。
ホリデーシーズンに医師の診察の元に本格的なアーユルヴェーダが受けたければ、事前にちゃんと予約をしておく必要があった。


準備:

航空券

航空券はJALの成田・デリー往復が安かったので、JALのサイトから予約購入。

デリー・チェンナイの国内便はスカイスキャナーで調べて、都合の良い時間にあるエア・インディアを予約した。
予約をExpediaでやってしまったのだが、これは直接航空会社のサイトで取るべきだったと後悔。
後から何かあって変更やキャンセルをするときに、Expediaで予約していると航空会社のサイトではできないのだ。
Expediaのそういった窓口は電話が通じないことで有名。

ビザ

大使館まで行ってパスポートを預けてというのが煩わしく、ネット上で申請でき、メールで受け取れるe-Tourist Visaにした。

申請フォームに関しては、このwebサイトがわかりやすい。
ビザは2日後に登録したメールで送られてきたが、メール本文上にビザ番号が記載されただけの簡易なもので、これで本当に大丈夫かと不安になるほど。
行きの飛行機のチェックインの際、JALの地上スタッフは誰もこれを知らず、ちょっと面倒があった。
デリーでの入国審査では、奥にe-Tourist Visa用のカウンターがあるので、いたってスムーズ。

ホテル

ホテルは他の国でもトリップアドバイザーを参考にしている。
旅行者が撮った写真は事実を写している。
その上でAgodaやホテルのwebサイトで予約した。
パリの狭小ホテルの価格で、インドでは宮殿ホテルに泊まれる。
体調を崩したり、外の猥雑さに疲れたりしても、ホテルが快適ならば救われるというもの。

車の手配

デリーは広い。
インドは巨大だ。
デリーからタージマハルのあるアグラまで車で片道3~4時間かかる。
長距離電車は遅延が当たり前のようだ。
メトロもあるが、目的の場所が必ずしも駅の近くにあるわけではない。
車をチャーターするのが最も楽。

今回の旅行で車の手配をお願いしたのは、日本語ベラベラのインド人がやっているインド・ツアーズ アンド トラベルズという会社。
日本語でメールを送ると、日本語をローマ字書きした返事が返ってくる。
反応が早いし金額も安い(デリー1日8時間のチャーターで2200円+ドライバーへのチップ)、フィードバックもポジティブなものが多かったので、ここにした。
頼んだのは空港送迎、デリーでの1日8時間チャーターを数日、アグラへの日帰り旅行の車。
他にシゲタトラベルにも問い合わせて、こちらも対応がしっかりとしていた。

ドライバーは日本語を話せず、英語でのやり取りになる。
土産物屋につれていかれる問題はどこの旅行会社に頼んでも起こることだろう。
自分で調べて予定を組むのが面倒で、食事にさほどこだわりがなく、できるだけたくさんの有名観光スポットを回り、土産はてっとり早く買ってしまいたいという人は、ドライバーにすべてを任せればいい。
我々のようにそうでない人は、自分でプランを決め、それ以外には行かないと、はっきりと強く何度も伝える必要がある。
ドライバーが自分たち以上に自分たちの好みに合う店や場所を提案することなんて、まずない。
我々は最初のドライバーのおじちゃんが良かったので、2人目で油断して失敗した。

チェンナイはタクシーがとても少なく、都合の良い旅行会社も見つけられなかったが、オートリキシャ―がデリーほどスレてなく使いやすいと聞いていた。
事実、チェンナイでは遠出以外はオートリキシャ―を利用して、まったく問題はなかった。
値段交渉もコミュニケーションと思えば面白い。煩わしければ言い値で払っても数百円の違いだ。

レストランや店探し

前述のようにあらゆるブログなどを読んだが、特に役に立ったのは4つ。

zomato
インドの食べログのようなサイトで、書き込んでいるのはほぼインド人。
zomatoで高評価の店に行って、すべてに満足したし、自分たちが行ったレストランのレイティングに関しては概ね同意している。
場所と料理の種類、利用時間を選び、フィルターで店のタイプ(カジュアルかファインダイニングか)、レイティングが3.5以上であるところ、より細かい料理タイプなどを指定する。

渡辺玲先生のブログ
インド料理研究家の渡辺先生はインド食ツアーを主催し、そこで行った店をブログで紹介されている。
店情報はもちろん、インド料理についての説明も丁寧で、著書共々大きく役立った。

デリーウォーカー
今は更新されておらず、古い情報も多いのだが、記述は細かい。
デリーの全体像を把握したり、エリアごとの特色やどこに何があるのかを知るのに役立つ。

地球の歩き方デリー特派員ブログ
インドについての地球の歩き方は内容が薄いように感じたが、このブログは情報が多く、ショッピングエリアや州庁出張所食堂の紹介などもある。

本や雑誌で買ったのは、これらと電子版の地球の歩き方(北インド、南インド)。
雑誌は古いのが残念。
最近、インド特集がないからねえ…。
食事が主目的な場合、インド料理のレシピなどを少し頭に入れておくと、よりスムーズに理解できるし、楽しみ方が広がる。

プランを立てる際、デリーもチェンナイも広くて渋滞が凄まじいので、あまりキツキツにしないこと。
インドの大都市はきっと、どこも同じ状況だろう。


便利だったもの

とにかくマストだと思ったのは、スマートフォン。
というか、Google Map。
2Gなところも多いが、GPSはWifiが通じていないところでも使える。

タクシーやオートリキシャ―のドライバーたちは指定された場所を知らなくても、名前が似ている他所と決めつけて「オッケー大丈夫」と言う。
Google Mapでチェックしながら乗ることで、見知らぬ場所に連れて行かれることを未然に防げる。
こちらが道案内をしたこともたびたび。
初めて行く土地では、自分の居場所を知ることは大きな安心につながる。

同じ理由で、wifiルーターは借りていったほうが良い。

日本から持って行ったものたち。

アルコール除菌グッヅ
除菌シートは大量に持って行ったが、使い尽くした。
くみさんから勧められて、小分けにして持って行ったドーバーパストリーゼ77も活躍。
飲み水も歯磨きもミネラルウォーターを使用したが、テーブルから皿からカトラリーからすべてを除菌することも忘れなかった。
必要ない人もいるだろうが、短い旅でチャレンジをするわけにはいかない。
おかげでか、体調良好なまま旅を終わることができた。

トイレットペーパー
インドのトイレは凄まじいと聞いていたが、インド式は和式のような形状なので、用を足すことは可能。
ただしトイレットペーパーがないところが多いため、携帯しておいて助かった。

マスク
このほかにPM2.5対応のもの(ドラックストアで売っている範囲で)も。
デリーのPM2.5は世界一だそうで、真っ白。
他にマスクをしている人を見かけなかったが、喉が強靭でなければ用心するに越したことはない。
そもそも排気ガスが酷くて埃っぽいので、旧市街を歩いたりオートリキシャ―に乗ったりするときはマスクをしたほうが快適。
観光地でエセガイドやエセカメラマンに声をかけられにくいというメリットもある。

どこでもベープ
チェンナイ用に持って行った。
直前に洪水があったばかりだし、そもそもが暖かい土地で蚊が多い。
チェンナイでデング熱にかかって入院した人のブログを読んで、絶対に嫌だと思って用意した。
そのおかげかどうかは不明だけど、蚊に刺されることはなかった。

マイスプーン・フォーク
インドは右手で食べるというが、実際はカトラリーを出しているところがほとんど。
南インドは特に手食が一般的だが、カトラリーが出されなかったのは1軒だけ。
これらは主にテイクアウトしたものをホテルで食べる時に使った。
ホテルに頼めば貸してくれるものなので、なくても大丈夫。

あと、知っておいてよかったなと思ったのは、インドでイエスのジェスチャーは頭を横に傾げるということ。
前ではなく、横に倒す。
ゆらゆらと何度か繰り返す人もいる。
デリーでは外国人に慣れているのか幾分前気味に倒すからわかるが、南では横傾げが顕著。
何か頼んだ時の返事として、黙って頭をゆらりと横にするので、よくわかっていないのかと思ってしまう。