2016/01/31

Sebastien Gaudard

パリ在住の友達がセバスチャン・ゴダールのガレット・デ・ロワを買ってきてくれた。
ル・フィガロ紙のガレット・デ・ロワコンクールで2年連続1位なのだそう。

さすが1位。
あまりに美味しくて、4人分を2人でぺろりと食べてしまった。
ちゃんと甘く、自然な香り。

なのに、フェーヴが店の名前のプレートという地味さ。

ガレット・デ・ロワにはシードルを合わせるのが定番だと教わる。
セバスチャン・ゴダールでも扱っているのだとか。
エリック・ボルドレ。
甘酸っぱさがガレットのコクを引き立てる。

ガレット・デ・ロワがあまりに美味しくて、他のお菓子も食べてみたくなった。
レンヌの駅から乗り換えなしで行けるではないか!

ということで、やってきました。
クラシックな店の作りも好み。

で、こうなる。

パリ・ブレスト。
それほど好きという菓子ではないのだけど、だからあえて食べてみようと思った。

アーモンドクリームの香ばしさ、シューとのバランス。
赤ワインを飲みながらいただいて、ぴったりだった。
自分の中でパリ・ブレストブームが起きそうな。

小さいクグロフ。
空気をたっぷり含んで軽い。

友達からお土産としてもらって、自分でも買ったパン・デピス。
舌触りにっちりでスパイスが香りつつ甘さも濃いという好みのタイプ。
ドライフルーツも入っている。

クッキー詰め合わせ。
まだ食べてない。
楽しみに取ってあるのだ。

クロワッサン。
お菓子屋のクロワッサンにありがちなガシっと重いクロワッサン。
層が密につまっている。
美味しいけれど、自分の好みはパリっと軽いもの。

右岸まで出かけて行ってよかった。
ここのケーキを全て食べてみたい。

2016/01/30

パリで家飯

今回のパリ出張では家飯を強化してみた。
寒いし怠いしで、外に出るのが億劫だっただけとも言う。
部屋での作業も多く、会食の予定が少ないのを良いことに、引きこもっていた。
塩2種類を持って行って、バターとオリープオイルを現地調達。

まだ店が開いている時間に部屋に着けたので、花屋とボン・マルシェ、ポワラーヌに走る。

羊の足(ピエ・ド・ムートン)という名の茸があったので、買ってみた。
傘の裏が細かい毛が生えたようになっている。
日本では鹿の舌というそうな。

好物のウサギ肉。
丸ごとで売っていることが多くて買いにくいが、ボン・マルシェの肉コーナーでは腿だけがあった。
オリーブオイルとニンニクでソテーして、途中でバターと茸を投入。
パセリのサラダを添えて、レモンをぎゅっと絞って食べる。
鶏に似た歯触りで、旨味はさらに濃い。やはり美味しいなあ。

朝はフルーツコンポート入りベイユヴェールのフロマージュブランを食べつつ、チーズサンドを作る。
ビスポークで習った映画「シェフ」風チーズサンド。
スライスしたラクレットとピレネー・デ・シェーブル(むっちりした山羊乳ハードチーズ)をポワラーヌの田舎パンに挟んで、たっぷりのベイユヴェールのバターでこんがり焼く。
飲むのは持参した一保堂のほうじ茶。

前日は昼夜外食でちょっと食べすぎたなあという日は、スープ。
ニンニクと赤タマネギをバターでよく炒めて、ちりめんキャベツと水を入れて煮込むだけ。
野菜が力強く、その出汁だけで十分美味しい。

2杯目には、焼いたラクレットチーズをのせて。

仕事帰りに寄ったマルシェ・サンジェルマンの肉屋に、皮の黄色い鶏の脚があった。

近所にあるビオスーパーでクレームフレッシュの液体版とシャンピニオン・ド・パリを買う。

クレームフレッシュは醗酵クリーム。
開けると、上部に濃い部分が固まっている。
醗酵由来のコクと爽やかな酸味が同居していて、重たさを感じない。

サワークリームと同様なはずなのだが、日本のサワークリームとはずいぶん違う。
そもそも日本で手に入るサワークリームの種類自体が少ない気がする。
フランスは乳製品の重要度が高いからか、充実していて楽しい。

じっくりとソテーした鶏の脚。
その脂で茸を炒め、クレームとパセリを入れてソースに。

マルシェ・サンジェルマンにあるビオワイン屋でブルゴーニュのオススメを聞いて買ったワイン。
クレール・ノーダンのオート・コート・ド・ボーヌ 2013。

同じマルシェのチーズ屋で買った不思議な形のシェーブル、Bouyguette(ブイゲット)をつまみつつ、ゆるゆると飲み、眠くなったら寝る。
素晴らしきかな家飯。

翌朝は残りもの。
シェーブルはパンにのせてトースト。

やっとオーブンの使い方が少しわかった。

買ったもの並べただけの夕食。
メゾン・ヴェロのハム。

ビオスーパーで買ったプティ・シャブリは、この時期には寒すぎた。
ドメーヌ・ブシャールの。

温かい汁ものが欲しく、ちりめんキャベツとポワローと燻製豚バラのスープにクレームを入れて。
普段、あまりクリームを好まないのだけど、フランスのクレーム・フレッシュは別モノ。

牛肉も、日本では好んで頼まないのにフランスで積極的にいただきたいものの1つ。
和牛の脂が苦手ということなのだけどね。
赤肉は好き。

特にフランスの仔牛は生の段階だと豚肉のように乳白色。
みっちりと吸い付くような歯触りと緻密な旨味を持つ。

ちょっと良い仔牛を買って焼き、白ワインソースで。
つけ合わせはコリアンダーのサラダと、

フェンネルのグラタン。

フェンネルはシーズンのようだ。
株の部分を細目に切ってバターでソテーし、ラクレットをのせて焼いただけ。
苦甘いフェンネルが美味しい。
ラクレットチーズはグリュイエールより香りがあって、使える。

やはり赤が飲みたくて、サンジェルマン教会裏の酒屋でオススメに従って買ったシラー100%のワイン。
ドメーヌ・デュランのコルナス 2013。

ローレン・デュボワのフロマージュブランにドライイチヂクを千切って浸したものが、酒飲みのデザート。

前にどこかで聞いた通り、鶏肉は腿より胸肉が一般的なようだ。
切り身で売られているのは胸肉ばかり。
腿は骨付き以外見かけなかった。
日本で胸肉を家で食べることは滅多に無いのだけど、骨なしの腿が買えないのだから仕方がない。
夜パリを発つ日の昼食は胸肉のバターソテー。
残っていたバターすべてを豪快に使って焼き上げた胸肉は、パサつきが気にならなかった。
フライパンにこびりついた脂にレモン汁をたっぷりと絞って火で煽ったのがソース。
ジャガイモのローストも添えた。


3~4日のパリ旅行、しかも初めてだったり10年ぶりだったりするのなら、なにも自分の料理を食べなくてもと思う。
行くべきレストランがたくさんあるから。
でも、定期的に仕事で1週間程滞在する身としては、家飯は身体が楽だし、日本との食環境の違いを目の当たりにできてリフレッシュになる。
今回はおかげでか、時差ボケが幾分緩和されていた。
次回は黒胡椒粒も持って行こう。

2016/01/27

Freddy's フレディーズ

パリ在住でいつもご飯をご一緒してくれる友達の最近のお気に入り、フレディ―ズ
隣のSemillaや前のFish(La Boissonnerie)の系列店。
Semillaとはドア1つでつながっていて、一部料理を共有している様子。

タパス料理がいただけて、ワインはビオというイマドキ流行りな仕様。

昔のバーの雰囲気もある落ち着く内装。

この日はフランスの大手テレビ局が取材に入っていた。

チョリソのような定番メニューもありつつ、少し捻りがある料理もある。
居酒屋使いが目的の店だそうだ。

まずはグラスで白を。
系列店すべてそうだけど、サービスの人たちの感じが良い。
フランソワ・クロシェのサンセール、Les Amoureuses 2014。

黒板にはその日マーケットにある食材によるメニューが並ぶ。
とはいえ、そんな多くはない。
チョリソなどの定番品は紙のメニューに。

カリフラワーのタブレ。
小さく刻んだカリフラワーをタブレに見立てている。
中にはシトロンの泡。

タコのラグーのアランチーニ。
ほんのり辛いパプリカのソースを敷いて。

ムール貝に添えられたのは、タイのガパオだった。

ボトルの赤で。
ドメーヌ・デ・ポチエのVertige。
ボトルだとリストにないワインもあったりするのかな?と思ったら、リストを渡されただけだった。
あまり種類はない。
これ以外でとお願いすれば出てくるのだろうか。

座れるというのが魅力。
料理やワインや活気ぶりはラヴァン・コントワールのほうが好きだけど、立ちっぱなしはキツイという人や、あそこは気おくれしてしまうという人には良いかもしれない。
昼12:00~夜12:00まで日曜も月曜も毎日開いているというのも使い勝手が良い。
場所的にも自分には便利なので、ふらりと来ることになりそうだ。

2016/01/21

アレノ・パリ

久しぶりに三ツ星に行ってみるかなと思っていたところ、たまたまこの店について書かれたブログを読んだ。
そういえば、ヤニック・アレノさんの料理は約10年前のル・ムーリスでいただいたきり。
まだ三ツ星を取る前だった。
なんだか濃い料理だなあと思った記憶。
それほど好みというのではなかったけれど、これだけ長きにわたって人気のあるシェフなのだから、改めて味わってみるべきかもしれない。

元ルドワイヤンのアレノ・パリ
内装はそのままなのかな?クラシックで落ち着く。

時を経た空間ならではの美しさ。

13:00過ぎには、ほぼ満席。
昼ということもあり、年配の男性が多い。

予約はネットで簡単にできた。

仕事の関係でワインを控えたいのだが、シャンパンくらいならイイよね。

ランチのムニュは135.00ユーロ。
黒トリュフムニュもあったが、そこまではいらない。

アミューズ・ブーシュはオニオン・グラタン・スープの新解釈など。
チップスにソテーしたオニオンをのせてトロけたチーズで覆い、小さなカップに入れたブイヨンの上に載せてある。
言われなくてもオニオン・グラタン・スープだとわかるが、軽くモダンだ。

軽くてシュワっと溶ける栗のギモーブや、

苦味が鍵のゼリー。
敷いてある葉が材料なのだろうか?

イベリコ豚の生ハム、イベリコ豚生ハムのジュレ、醗酵ライ麦パンのクリーム、黒いのはカラマタ・オリーブ。
濃いなあ。
ムーリスの料理を思い出す。
でも口飽きる濃さでなく、酸味を上手く使っている。

ホタテのヴィロフレースタイル。

かろうじて火を通したホタテ、ほうれん草のスープ、ほうれん草と黒トリュフ。
黒トリュフの贅沢なごっそりさが三ツ星か。
ほうれん草の甘苦い風味が、ホタテと不思議に相性が良い。

ウズラのオルトラン風、バベットの晩餐会パイ包み。

パリでパイ包みを食べると、ジュワっと染み出すバターの良質さと贅沢さに高揚する。
中にはたっぷりのジューシーな茸とレバーのソテー、底にいるトマトソースが食後感を爽やかにする。

ソースも芳醇。
やはりフランス料理にはソースがあって欲しい自分には、嬉しい料理だった。

アヴァン・デセール。
チョコレートのジュース、パイナップルのコンフィ、洋梨のソルベなど。

フレッシュなフルーツを思わせるチョコレートのジュース。

デザートには火がついたカルバドスをかけて。

なめらかなメレンゲ、サクサクの生地、柔らかい焼きリンゴ、冷たいソルベ。
モダンノルヴェージャンスタイルのリンゴのシャルロット。

歯ごたえや温度の異なるものを同時に口に入れる楽しさ。

昼にこのくらいのボリュームのコースをワイン1杯くらいでいただくのは、身体にも優しく、丁寧に味わえる。

お茶菓子のフランの美味しさに目を見張った。
カスタードのようでいて、くっきりと鋭角。

お得感があるコースだ。

北欧っぽいアレンジの軽い料理がもてはやされていて、どこに行ってもビオワインで、なんだかつまらないなあと思っていたから、王道を外れずに新解釈を加えている料理が心地よかった。
またぜひ行きたいかというと、なぜかそれは思わないのだけど、素直に美味しいと感じた。
やはり時々はこういうクラスのレストランで食事ができるよう、諸々調整しようという気になる。

老舗にありがちなことで、古い建物だけにトイレが狭く寒いのが残念。