2015/10/31

掘り出しもの

まだ夜も明けきらぬヴァンヴの市で。
グリザイユが気になる。

1830~50年くらいのクレイユ・モントロー。

ジャージーにあった店の宣伝皿。かなりボロボロとしているがカケはない。
ジャージー牛のジャージー。
皿を調べたことで、この島の歴史について知る。

Edge Malkin&Co.というイギリスのメーカー製で、1800年代後半と思われる。

ふと手に取ったのだが、売り主が感じが良くて、買ってしまった大きなオーバル皿。

売り主曰く、1800年代のボルドー地方のものだとか。
貫入の具合からも、新しいものではないと推測できる。

今回もカトラリーはいくつか買った。
その中で気に入っているのがコレ。
上と下は同じものの裏表。
真っ黒な状態で他の色々と一緒に無造作にタッパーウェアに入れられ、1本2ユーロで売られていた。
上のシンプルな柄とスタンプからクリストフルっぽいなと思って手に取ると、裏に壮麗な装飾がある。
そのコントラストに惹かれて同じものを探し、どうにか2セット掘り出した。

フランスのきちんとしたカトラリーは大きすぎるものが多く、いつもは小さ目のデザート用を買うのだが、これはデザインにやられた。
使い辛さに目をつぶってしまう。

帰ってから重層とアルミホイルと熱湯で掃除。
使うたび、レリーフにうっとりとしている。

15区のポップアップのブロカントで古いグラスを買ったのだが、自転車で持ち帰る間に他のものと接触して割れてしまった。
パリの石畳ゆえ。

気泡が混じってゆらゆらと平らでないガラス。
あきらめきれず、大きめの破片と共に持ち帰り、漆で継いだ。
割れ目がガサガサとしていたから継げたのだろう。

そのブロカントは、フリマ的な参加者もいた。
このリキュールグラスを売っていたおばちゃんは、他にも古いものを出していて、安かった。
家でリキュールを飲むことがないから控えたのだが、もっと買ってくればよかった。

プレスガラスのジャム瓶。
右のほうが古い。左はもれなく付いてきた。

これは花を生けるのに良さそうだ。

ピューターのソース入れとマグ。

材質不明のアイスクリームカップ。
プラスチックケースの中にごっちゃりと入れられた中から、上のピューター共々掘り出した。
同じアイスクリームカップが3つあり、最も状態の良いものを選ぶ。

ソース入れもだが、こういう本来は必要のないものが、後から役に立ったりする。
まだどうやって使うか思いついていないけど。
家にお客を呼ぶ人なら、ナッツを入れて出したりするのだろう。

ピューターマグは重いから、大き目な花束を入れても安定する。

建物の装飾の一部。
フランスの建物には人や花や、色々なレリーフが施されている。

どこかから落ちたのか、取り出されたのか。
握りこぶしより少し大きいくらいのサイズ。

ただ好きというだけで買う楽しみ。

2015/10/30

L'Auberge du 15

今回、パリで最も好きだったお初な店は、ローベルジュ・デュ・キャンズ。
13区。
今回最後の夕食。

「この人たちが薦めるなら、行かないわけにはいかんでしょう」という方々が絶賛していた。

日本人のシェフとサービスなのだけど、私たち以外のフランス人客でほぼ満席。
近辺の人の、ちょっと良い食事会に利用されている様子。

料理のコースは89ユーロ、合わせるワインコースは50ユーロ。

友達が誕生日だったので、シャンパンを出してくれた。
ボネ・ジルマール。

上の黒いのは炭化した葱。

鰻の燻製とケールチップス。

プティ・マロンのヴルーテ、フォアグラ、バニラの香りのする大麦のようなもの。

ケシの実をつけた鯖のスモーク。
鯖はサン・ジャン・ド・リュズ産。
フヌイユのピュレ、根菜、熟成酢。

バランスの良さ。

合わせたのはヴァンサン・ブーズローのシャルドネ。

仔牛とモン・サン・ミッシェルのムール貝のタルタル。
燻製オイルの泡、ヘーゼルナッツのソース。

ああ、フランスの乳白色の仔牛肉をタルタルで食べられて、良かった。
組み合わせが新鮮で必然。

2つ出してくれたうち、ポール・ジャブレ・エネのSecret de Famille、ヴィオニエ 2014。

タラ、ラングスティーヌのジュ、ニンジンピュレ、ジロール。

以前は日本食の影響か、レアレアな火入れの魚をよく目にしたが、今回のノルマンディーでもここでも、全体にうっすらと均一に火が通ったような頃合いだった。
それがトレンドなのか?
フランス料理には、あまりレアなものより、このくらいのほうが無理がない気がする。

ちりめんキャベツが巻かれたスコットランド産の雷鳥。
根セロリピュレ、雷鳥のジュ、胡桃、セップは生とソテーと。

ジビエの季節到来。
ふわりと柔らかな雷鳥は、そのクセが洗練されつつ活きていて、素直に美味しくいただける。
ジビエは強烈であれば良いというのは違うよなと、改めて思った。

ムーラン・ド・ラ・ラギューヌ 2012と。

ココナッツのムース、パイナップルのソルベ、メキシコ産エストラゴンのソース、メレンゲ。

お誕生日の蝋燭を立ててくれたプチフール。
真ん中の下にはパチパチ。

ドメーヌ・カーズのリヴザルト・アンブレ。


ぜひまたここで食事をしたい。
パリには日本人シェフのお店がたくさんある。
日本のテイストを売りにしなくても、正攻法なフランス料理で評価される時代。
シェフの国籍は関係ないのだ。

Comptoir Canailles

熟成肉が美味しいと友達が絶賛していたコントワール・カナイユ。

洒落た内装に熟成肉冷蔵庫。

お酒をあまり飲まない方々とだったので、ビールなぞ。
ブルターニュのセルティカ。

肉が巨大と聞いていたので、前菜は軽めに。
3人で1つをつつく。

セップと青菜とベーコン。
シンプルだけど、全ての加減が的確で美味しい。

1kgの熟成肉Tボーンステーキ。
これを食べに来たのですよ。

骨もあるし、脂もあるしで、実際に食べられるところは限られている。
3人でちょうどよかった。

残念ながら、けっこう筋っぽくて、脂も私には重かった。
薦めてくれた友達が何度か来た時は筋っぽかったことはないというから、その時によるのだろう。

むしろつけ合わせのほうに夢中。
ほうれんそうと小さなジャガイモと極小茸と葱と。

我慢できずにグラスで白を。

他のテーブルの人が食べていてそそられたデザートも3人で。
リ・オ・レ。
普段はそんなに好まないメニューなのに、キャラメルソースがアクセントになって、匙が止まらない。



2015/10/28

Al-Ajami

前に雑誌で見て気になっていたレバノン料理のAl-Ajami。
仕事の合間に近所でランチをと彷徨っていたら、たまたま出くわした。

場所柄、ビジネスマンと観光客とが混ざり合う客層。

17ユーロのクイックランチ的なセットを頼む。
まずはレバノン料理でいつも出てくる薄べったいパンとオリーブ。

タブーリやババ・ガヌーシュ、フムス、挽き肉のあんが入った揚げ餃子的なもの、トマトとオクラのカポナータ的なもの。
お馴染みのメゼの盛り合わせということか。
元になっている素材の風味がフレッシュに感じられて、美味しい。

アラブなお菓子かアイスクリームかが付いてくる。
もちろん、アラブなお菓子を選ぶ。
ぎっちりと甘いのが落ち着く。

夜に友達と一緒に来て、色々と食べてみたいなあ。

2015/10/27

KUNIYOSHI展 in Paris

プチ・パレでやっている歌川国芳展がイイと聞いて、寄ってみた。

程よい人の入り具合。

展示数も多くて、見ごたえがある。
日本で開催した時にも行ったのだけど、混んでいるのはもちろん、なぜか並んで順々に見るというルールが発動されていて、イライラした。
ここでは、自由に行ったり来たりしながら堪能できる。

写真も撮り放題。

初めて入ったけど、プチ・パレの中庭が気持ち良い。

庭に面したカフェもある。

図録は日本で買ったもののフランス語訳だったので、パタパタ絵本的なものを。