2014/09/30

お決まりのラヴァン・コントワール

ホテルに着いたら、こちらに住んでいる友達からの花束が届いていた。
前回同様に花器も付いて。

ありがたいことです。
小さな部屋に愛着が持てる。自分の部屋という気持ちになる。

パリ出張の快適さを増してくれた店、ラヴァン・コントワール。
ぎゅうぎゅうでも、奥は隙間があったりするから臆せず突入。

いつも親切に気遣ってくれるヒゲのおじちゃんの手が空くのを待って、グラスの白を。
ニコラ・ローのATTENTION CHENIN MECHANT。
猛犬注意とシュナン・ブランをかけたとか。

発泡していないのだけど、どこかツプツプとした動きを感じるようなフレッシュさと酸味に、貴腐ワインを思わせる重めの風味。

グラスワインの需要の方が高い様子で、その時々で色々なワインが開いている。
好みを伝えておまかせに従うのが吉。

いつもとは違うものを食べてみようと思い、ソーセージとマスタードのガレット。

ディジョンマスタードを塗ったガレットでジューシィなソーセージをくるくると巻いている。
ホカホカで美味しいのだけど、1人で食べるとこれだけで満腹になってしまう。

温泉卵の上にヘリングの卵の燻製(って数の子の燻製ってことか?)と酢漬け玉ねぎ。
燻製の香りはそんなにしないけど。

携帯で日本語を打っていたら、隣にいたフランス人のおばちゃんが「その画面撮らせて!アメイジング!」と言うので、どうぞと。

ワインをお代わりして、仕事に戻る。

アペリティフを旅行で来た友達と。

まずは泡。

そこから白。
ドメーヌ・ランドロン。

友達が飲んだ赤。
クリストフ・パカレのフルーリー。

隣の人が飲んでいて、よさそうだったので。
って、前にも飲んでたね、ここで。
Guy Baudinのプイイ・フュメ。

友達はカリーム・ヴィオネ。

この後会食だから…といいつつ、楽しくて、結局飲む。

これが夕食となる友達には、ブーダンノワールのマカロン、アーティチョーククリームと生ハムののったゴーフル、チキンフライ&フライドポテト、パドロンを食べてもらう。

2014/09/29

ユーゴ・デノワイエ 羊

メインイベント後、ほっとしてのランチ。
こちらの方向だったので、ユーゴ・デノワイエの16区のお店に。

混んでいて、レジの後ろの棚部分をカウンターにしてもらって席を得る。

肉に集中するべく前菜はパス。
お通しは白いスープの下に栗のフラン。
説明を聞かなくても、ああ栗だなとわかる栗濃度。

ワインは料理に合うものをとお願いし、アンリ・ボワイヨのヴォルネイ。

席についた時、サービスのお姉さんが「今日は特別な日なの。特別な羊が入ったのよ」と言う。
それは食べねばなりますまい。
好きな部位を選べるという。
オススメに従い、肩肉にした。

全体が乳白色のピンクになるように焼かれていて、しっとりむっちりと歯や舌に吸い付く。
野性味と繊細さと軽やかさを併せ持つ羊独特の旨味。
これは特別だわ。

付け合せはポテトピュレとラタトゥイユ。


ガラスケースの後ろ側だったので、ユーゴさんが楽しそうに肉を切ったり包んだりしているのがよく見える。
スタッフに任せきりにせず、細々したことまでやり、お客さんに声をかけ。
本当に肉が好きなのだなとわかるほど、嬉しそうに。
そりゃあ美味しいはずだよね。

2014/09/27

Porte 12

今回は1件くらい新しい店に行ってみようかなと検索。
パリに着く前の週にオープンするというレストランが目についた。
まだオープン前ながら、良さそうな匂いがする。
オープン後すぐに上がっていたレビューもそそられた。

新しいビストロがそこかしこにある10区。

天窓のある店内は銅が効果的に使われている。
大きさもモダンさ加減も程よい。

グラスのシャンパンはジャック・ラセーニュ。
バターのようなコク。

ランチは前菜・メイン・デザートの中から2つを選ぶ28ユーロのコースと、3皿の35ユーロのプリフィクスの2つ。

もちろん、せっかくだから3皿のを。

小さなポテトにはアリオリソースが詰めてあり、上のカリカリは何だったかな?フライドオニオン?

芝生や藁を敷いたりするプレゼンテーションは流行りらしい。

ご一緒した友達と2人で「オーム?」って言うよね。やっぱり。

アジの刺し身、茄子のキャヴィア仕立て、ratte du touquetという長いジャガイモ。
緑のは燻製バジルソース。

バランスが良く、素直に美味しいと思う。
程よい燻製香やバジルの香りが、脂ののったアジを引き立てる。
使われているもの全てに存在理由がある。

こちらは鴨の心臓、salicorneなる緑の海藻、カリカリ、オニオンブイヨンソース。

鴨の心臓はレアでくにゃりとやわらかい。
歯ごたえの組み合わせが楽しい。

フランスに来たら、田舎パンも食べないとね。

グラスの赤はいくつかある中から、2人のメイン料理どちらにも合うものをとお願いして。

ボルドーのシャトー・ラ・ローズ・ベルヴューの赤。
メルローとカベルネ。
麹の香りがある。

しっとりとした鶏、サルディーニャの粒パスタのフレーゴリ、卵の黄身、トウモロコシのソース。
手前のヒゲの生えたカリっとした粒は何だろう?若いトウモロコシを揚げたのか?

バランスが良い。
メインとソース、そして付け合せ。
どれかが前に出過ぎることなく、お互いに引き立てあって、完成している。

メインはどちらも目の前でソースをかけてくれた。

パール色の仔牛、フランボワーズ、パースニップ、細いが濃い葱。

前菜もメインも、モダンだけど少なすぎることなく、満足感がある。
オープンしたばかりなのに素材の使い回しも、気張ったところもなく、すでに安定感がある。

皿の端っこにちんまりと盛られた料理や、6皿コースでも満腹にさせないような店に辟易していたので、余計に好感を持ったのかもしれない。

イチヂク、チョコレートの粉、ヨーグルトのメレンゲ、ノワゼットのアイス、レモンのゼリーソース。

全部一緒に口に入れるのが美味しい。

デザートに合わせて1杯、任せてもらえますか?とサービスの方が言う。
わざわざ開けて出してくれたのが、エリック・ボルドレのポワール・オーセンティック。

洋梨のトロリとした風味はあるが、甘くはない。
このデザートにぴったりだ。

サービスも感じがよくこなれている。

夜は少量が6皿くらい出るのだそう。
来てみたいと思う。
そのうち人気店になるだろうねと言い合いながら後にする。

この日はワインを入れて1人66ユーロくらい。

2014/09/21

酒坊主 その後に ル・キャバレ

突発的に飲み食いしようということになった金曜日。
2人で酒坊主へ。

本日のクラフトビールたちから、

デンマークのこちら。
ミッケラーのチリピルス、オレンジ。

ご一緒した方はアプリコットが香る山伏ビール。

ロンドンからの素敵なお土産までいただいて。
オイルペーパーの袋が洒落ている。何気なくこういうアレンジでプレゼントができる人っていいねえ。

オールド・トム・エールのチャツネ。
食べるのが楽しみだ。

お通しは煎ってから浸したと思われる醤油豆と、蕪の漬物。

ミョウガと甘長唐辛子の揚げ浸し。

ほんのり辛い甘長唐辛子。
出汁が上品。

昆布ジメ赤海老とグレープフルーツ。

昆布ジメでトロリとした赤海老とグレープフルーツの苦甘さが合う。
白身魚の昆布ジメにも使えそう。

日本酒も。
長珍のうすにごり。
辛口で華やかさもある。

この豚舌の冷菜、どう調理しているんだろう?
コリっとしていながらしっとり。
辛さを足した醤油麹のようなタレで。

マッシュルームとトマトの海老出汁グラタン。
ジャガイモとマカロニもたっぷり。
日本酒にぴたりとハマる濃い目の味付け。

グラタンと次の料理に合わせてとお願いして、出してくれたのが燗した竹鶴。

そのままでは重すぎるような酒は燗をして、こってりした料理と合わせると活きる。
それは柏のやたいちで、隊長と飲んだ時に知ったんだったな。

鹿スネ肉と栗の煮込み。

これも、ワインよりも日本酒やクラフトビールと合う味に仕上げてある。

青いレンゲがかわいいなあ。思わず密林でポチってしまった。
野田琺瑯の、青と緑。

シメ的にグラスでいただくフランスのビール。
ブラッセリー・ド・ピジョンネールのロワレット。

シメられず。

ワインが飲みたくなって。
日曜の昼営業がなくなってしまったそう。

ワインはグラスで。

シルヴァン・マルティネスのガズゥイ。

ドイツからやってきたというかわい子ちゃん。

ノッポ、デブ、チビの3人が酒とともに色々と繰り広げる4コマ漫画を見せてもらったり。
フランス語を勉強するのに良さそうだ。

ジェローム・ソーリニーのソートレース。

こういうワインをグラスでいただけて、その時ごとに変わっていて、楽しい店だよなあ。

白身魚のフリット。

サックサクでふわり。

初めてここに来た時からシェフは何人も変わって、やはりその人なりの個性があるのだけど、でも、一貫したキャバレらしさを感じる。
気さくでいて、塩やオイルがしっかりきっちりと効いている料理。
珍しさに走っていない、それ自身の美味しさ。

焼きフロマージュ・ド・テット。

周りカリっと、中トロり。
スペインでレタスのコラソンと呼ぶような、柔らかな部分と。
この組み合わせが合う。

あと1杯。
グザヴィエ・マルシェのレリクシール・ジュヴォンス。