2014/12/28

Katsu Kitchen、亜砂呂

牧志公設市場よりも、その周りの商店のほうが興味深い。

辛さよりも香りが立つ島唐辛子はタイ料理に合いそうで、買って帰りたいと思っていた。
季節外れで、やっと売っているのを見つけたが、値段もちょっと高い。
まあ買うけど。

沖縄の経済は女性が回しているのではないだろうか。
老いも若きも女性がきびきびと働いている。
男性はその横で、ぼんやりと愛想を振りまく。

出汁の基本はとにかく鰹節。
削る前のまるごとが積み上がっている。
スーパーの鰹節スペースも関東より遥かに広い。

脇道にも店が並んでいる。
たまたま通りかかってそそられたカツキッチンは、ポークたまごおにぎりの店。
2人で1つ買って、食べてみよう。

高菜やツナマヨ、昆布などのトッピングが選べる基本のポークたまごおにぎりは200円。
自家製油味噌にする。

イートインできるカウンターがあるが、持ち帰りで。
店の前でたまらずに頬張る。

注文を受けてから作ってくれ、ほかほかのご飯に海苔の香り。
スパムの塩気とやわらかな卵、甘い油味噌。
いいねえいいねえ。

曲がったところにある喫茶店兼惣菜屋に行列ができている。

沖縄のお惣菜が並んでいて、揚げ物は横で揚げたばかりのものが随時補充されている。

もちろん、列に加わる。

奥の厨房でお母さんたちがせっせと料理をしているのを見て、ますますそそられる。

みんな何品も買っていて、値段を聞くと安い。
前に並んでいた親切なマダムが、冬至ジューシーを仏壇に備える風習があるのだと教えてくれた。
この日は冬至だったから、家で作らない人は美味しい店で買うのだそうだ。
並んでいる料理の説明もしてくれ、オススメもしてくれる。
沖縄の人は人懐っこくて親切だな。
急ぐことがないから、心に余裕があるのだろう。

さあ我々の番というところで、後ろの婆さんが「さつま揚げ買うの?」と聞いてきた。
残り僅かなさつま揚げをどうしても買いたい様子。
買わないと言っているのに、勢い余って「さつま揚げ2つ!」と注文している。
まだだから。
お店の人にいなされるも、焦りは隠せない。
さすがの沖縄県民も、食欲の前には余裕がなくなるのか。

片っ端から食べてみたい衝動に駆られるが、マダムのオススメに従いながら厳選。

食べてみたかった沖縄のかまぼこを1つ。
揚げ物は信用できる店で買いたいからね。

シナチクのような風味の筍の炒めもの、スンシーイリチーを小さいパックで。
干し椎茸や白いこんにゃく、細切り昆布、薄いかまぼこなど。

もっちもちな田芋のドゥルワカシーも。
グリンピースやスンシーなど、具だくさん。
出汁は豚かな。

生活雑貨の店に寄りつつホテルへ。

さっき買ったお惣菜を食べよう。
備え付けの茶碗で缶ビール。

かまぼこはお赤飯入り。
関東とは違う赤さは、豆が違うからだろうか?

どれも作りこんだ家庭の味で、美味しい。
情報は検索でいくらでも入るけれど、たまたま良い店を見つけた時の喜びは代えがたい。