2014/02/05

レピ・デュパン

左岸のアカデミックで落ち着いた雰囲気が好きだ。
治安が悪化しているというパリでも、比較的安全だと感じる。
ホテルが左岸というのもあり、籠って作業をする日には、ご飯を食べに川を超えるのも億劫。

というわけで、徒歩圏内で老舗のビストロ、レピ・デュパンでランチをしてみよう。
初めての店だし予約もしていないけど、1人だし、早めなら大丈夫でしょう。

と思ったら満席。
どうにかカウンター的な長いテーブルに席を得たけど、危なかった。
観光客が多い様子ながら、近所で働いているらしき5人組なんかもいる。

お通しは、生姜の香る海老の冷たいスープ。
美味しいけど、寒い季節、テーブルに着いてほっとしたところで口に入れたスープが冷たいと、冷や水を浴びせかけられたような気持ちになる。
暖冬とはいえ、冬は冬だ。

アラカルトで頼んだ前菜は、緑の野菜を練りこんだ柔らかい生地にカブを入れて揚げたもの。
周りはカボチャの生温かいスープで、これも生姜の香り。
スライスしたほぼ生なカブやニンジン添え。

色々な歯ごたえが楽しいが、生姜が重なってしまった。

メインは隣の人が食べているのを見てそそられたうずら。
丸ごと。

みっちりと詰められたのは、内臓のマサラスパイス煮かな。
松の実がアクセント。
しっとりと濃い味わいのうずらが、スパイスを凌駕している。
久しぶりに美味しいうずら肉を食べている。
こういうものに出会うと、さすがフランスだと思うなあ。

ただ、下に敷かれたキャベツとベーコンのバターソテーも味付けが濃く、最後はぐったりとしてしまった。
長く続いているオープン当初は最先端だったビストロに行くと、こういう思いをすることが多い気がする。
美味しいは美味しいのだけど、グっとこない。

好みではないと言えばそれまでか。